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巨匠オリバー・ストーンからのメッセージ

先月はこの冬大流行のインフルエンザにかかってしまい、熱が下がった後4日間も不本意ながら自宅で缶詰め。

外出もできないため、せっかくだからと映画三昧の日を過ごしました。

選んだのはクリント・イーストウッド監督と同じくらい尊敬してやまない社会派の巨匠オリバー・ストーン監督作品。

語られない歴史の真実を強い使命感で暴き、そして語り続けている正義感のかたまりのような人です。

映画といえども勉強になることが多い、そう感じられる作品群が私をファンたらしめています。

 

まず手に取ったのは『7月4日に生まれて』(1989年、トム・クルーズ主演、アカデミー賞監督賞受賞)。

何度観ても素晴らしい!

ベトナム戦争帰還兵の苦悩を描いた重厚な作品で、ベトナム戦争の功罪を深く掘り下げた同監督の傑作『プラトーン』(1986年)と共に観ることをおすすめします。

監督本人もかつてベトナム戦争に空挺部隊員として従軍されていたそうで、自身の体験がこれらの作品をリアリティたっぷりに、そしてメッセージ性豊かな作品へと昇華させてるんでしょうねぇ。

 

続いて手にとったのは『JFK』(1991年、ケビン・コスナー主演)。

ケネディ大統領暗殺事件の闇(真実?)を暴く、エンタテインメントの衣を着た硬派で切れ味鋭い作品。

これ観終わった後は操作された情報と真実との間できっと悩んじゃいますね。

他にも政治色の濃い作品がずらり。

『ニクソン』(1995年)ではウォーターゲート事件を、そして『スノーデン』(2016年)では国家機密暴露事件を描いています。

 

米国政府による個人情報監視を告発したNSA(米国家安全保障局)職員の半生を描いた映画『スノーデン』の中で、元NSA職員のエドワード・スノーデンは

「日本と米国は真の『同盟国』ではありません。日本は米国の『人質』なのです。もし、日本が米国の同盟国をやめれば、日本中の電源が落ちるように、米国政府は日本中の鉄道や電気供給網、通信網などの民間インフラにマルウェア(有害ソフト)を仕掛けてあります」

と衝撃の証言をしています。

この話はストーン監督がプロモで来日された際のインタヴューでも語られていました。恐ろしい話です。

 

近年、周辺国との関係がギクシャクしています。

お友達だと思っていた隣国から、慰安婦、徴用工、レーダー照射など立て続けに理不尽なプレッシャーを受けています。

もし、チュチェ思想で北と繋がる韓国の文在寅政権が北朝鮮主導で統一を果たしてしまったら、反日の核保有国が海の向こうに誕生します。

在韓米軍は撤退し、自由主義圏と共産圏のボーダーラインが朝鮮半島の38度線から一挙に対馬海峡まで南下するわけです。

74年も続く現在の日本の平和は微妙なバランスのうえで保たれており、一連の韓国や中国の覇権国家的行動がその均衡を乱し、次の紛争へのきっかけとなるやもしれません。

 

そんなとき、果たして「何かあったらアメリカは助けてくれる」?

いやいや、スノーデン氏の発言から解る通り、アメリカの傘などとは幻想でしかなく、私たちの国の安全保障は他国に寄りかかり過ぎることなく、国民自身が主体的に自国の安全保障を決めていくことが大切だと最近理解できるようになりました。

決して戦闘や戦争を礼賛しているわけではありません。

誇り高き日本人には平和を守るための「知恵」があるはずです。

だからこそ真実に目を背けずに、正しい判断のために知識を蓄えることが大事だと思っています。

書籍『オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史(全3巻)』も読みごたえたっぷり。目からウロコの超お勧め本です。