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クローン羊→クローン犬。次はクローン人間?

4月のある朝、バーブラ・ストライサンドが久々にTVニュースに登場。

あー、懐かしいっ!アメリカの大女優であり名シンガーでもあり、アカデミー賞(映画)、トニー賞(舞台)、グラミー賞(音楽)、エミー賞(テレビ)を全て受賞した数少ないマルチタレントの1人。

とはいっても、今回のTV登場の主役はバーブラの愛犬たち。生前に採取しておいた愛犬の細胞を再生したクローン犬と戯れている姿の動画でした。

いつの間にこんな時代に?

 

クローンについて調べてみました。

1996年7月にイギリスで「ドリー」と名付けられたクローン羊が誕生し、当時のTVや新聞、雑誌などに大きく取り上げられたのは、覚えていらっしゃる方も多いでしょう。

また、2年後の1998年7月には日本でも2頭のクローン牛が誕生。

クローン犬は2005年に初めて韓国で成功し、翌年から韓国のスアムと呼ばれる研究所で、クローン羊「ドリー」と同じ技術を使って月に15体ほどのクローン犬を生み出しているそうです。

 

クローン技術は食料の安定供給、移植用臓器の作製、実験用動物の革新、医薬品の製造、希少動物の保護・再生など様々な分野に応用できる可能性があるといわれています。

すでに技術は確立されてきており、あとは倫理の問題。我が家にも2頭の愛犬がおり、いつまでも一緒にいられたらとの想いはありますが、クローン犬の選択には大きな違和感が残ります。

このまま無軌道に進むと、近い将来「クローン人間」の誕生も近いかもしれません。

いや報道されないだけで世界のどこかで既に誕生しているのかも…。

 

映画でも未来を描いた数々のSF作品に「クローン人間」が登場します。

昨年末に公開されたカルト的傑作の続編『ブレードランナー2049』ではクローン人間の人格?と苦悩が描かれました。

2005年公開の『アイランド』では自分が人間の臓器や代理母を提供するために作られたクローンでしかないこと、彼らの幼い時の記憶でさえもプログラムで捏造されたものなのだということを知ってしまったクローン人間達の逃走劇を描いています。

設定がなんと(当時からみると)近未来の2019年なのが何ともシュールです。

 

クローン人間の誕生は「永遠の命」への無謀な挑戦という側面もあります。

しかし私が大好きな故ロビン・ウィリアムズ主演の名作『アンドリューNDR114』(2000年日本公開)が明快にその問いについての答えを導き出してくれています。

家事専用ロボット・アンドリューが大勢の主人に仕えていく中で次第に人間的感情が芽生え、自身も人間と同じように「死ぬ」ことで人間に近づこうとした、今でも心に残る素敵な映画です。

 

日本には日本人の美意識を象徴する「もののあはれ」という言葉があります。

春に美しくも儚く咲き散る桜の花のように、夏に蝉が成虫として僅か1週間の命を懸命に生きるように、生きとし生けるもの全てが自分の身の丈を精一杯全うすることが大切なんではないでしょうか。

バ-ブラのクローン犬の動画を観て深く深~く考えさせられた1日でした。