· 

チャップリン愛

 昨年2月21日によみうりシネマ倶楽部で上映したチャップリン晩年の傑作『ライムライト』。

大勢の方に心から喜んでいただき、またお帰りの際にお声をかけていただいた一年前のその日に、来年もまた同じ2月に「チャップリン」作品を上映しようと秘かに心に決めました。

私にとっての『ライムライト』とは、こんな美しくも儚いラブストーリーは観たことない、チャップリンの天賦の才が演技に、脚本に、映像にそして音楽に全て凝縮した作品。

 

一方今年2月にセレクトした『独裁者』は、まさに本物の勇気を貰った、自分の人生に影響を与えた忘れられない作品です。

 

20世紀前半は、生物の遺伝子構造を改良することで人類の進歩を促そうとした(人種差別思想を肯定する)『優生学』が欧米の多くの企業家・資本家から支持された時代であり、ヒトラーもその学問に大いに感化された1人だそうです。

今でこそ、「平等」や「平和」の概念は当たり前のように語られていますが、当時の差別的思想が世界中の根底に実は大きく残る状況下で、ヒトラーとナチスがヨーロッパを席巻しユダヤ人を虐待・虐殺している最中に、自らの危険も顧みず、まさにアンチヒトラーとして大いなる皮肉と正義感を込めて反戦平和のメッセージをエンターテイメントの表皮に包んで世界に発信したチャップリンの姿に「本物の勇気」をみました。

 

 無声映画を撮り続けていたチャップリンが、この映画のラストで初めてその肉声を披露します。そのラスト5分はまさに映画史に残る名シーンのひとつ。思い出すだけで鳥肌が立ちます!

 

彼が没してからちょうど40年が経過しますが、そのメッセージは全く色褪せることなく、今なお世界中の人々に影響を与え続けています。

 

『街の灯』『キッド』『黄金狂時代』『モダンタイムス』など数ある名作の中で、今回敢えて『独裁者』を選んだ理由。

劇場に確かめに来ませんか?素晴しい時間を共有できれば嬉しい限りです。