· 

熱帯夜に忍者と映画を再考する

子供の頃は「忍者」が僕のヒーロー。

テレビシリーズ「仮面の忍者 赤影」が大好きで、子供の忍者青影に自分をなぞらえて、忍者ごっこをしていた記憶があります。

当時は忍者を題材にしたものが巷に溢れてました。

漫画では「カムイ伝」「伊賀の影丸」、テレビ(実写)では「忍者部隊 月光」「隠密剣士」、アニメでは「サスケ」「忍者ハットリくん」、「ピュンピュン丸」など。

「ガッチャマン」も科学忍者隊だから実は忍者?笑。

 

映画の世界では、個人的には「梟の城(司馬遼太郎原作、中井貴一主演、99年公開)」以来、最近はあまり心に残る忍者映画にめぐり逢えていませんでしたが・・・。

いや〜っ、面白かった!!7/1公開の映画「忍びの国」。

「のぼうの城」や「村上海賊の娘」などの大ヒット歴史小説を書いた和田竜さんの原作で、ずっと封切りを楽しみにしていました。

そういえば映画版の「のぼうの城(2012年公開)」も主役の野村萬斎(狂言師)がハマリ役でした。

当時(戦国時代)行田市に存在した「忍城(おしじょう)」が舞台で、埼玉県民としてはさらに気持ちが入って上映期間中に2回も観に行ってしまった映画でした。

 

話は「忍びの国」に戻ります。

戦国時代に伊賀忍者と織田信長軍との間に起こった第一次天正伊賀の乱(1579年)を題材にした同名小説を映画化した本作では、伊賀の国最強の忍び「無門」として嵐の大野智くんが主演。何か軽そ〜(^^;)…と当初は若干心配しましたが、ストーリーや脚本、キャラクターの個性がしっかりしていて、逆に大野くんの個性が輝きを放ち、惹き込まれ、最後には…涙。

人を人とも思わぬ“虎狼の族(ころうのやから)”と呼ばれ恐れられていた伊賀の忍者衆。

その中で辛い過去を抱え闘いながら、人間としての愛情を徐々に取り戻していく無門の姿が印象的なラストシーンとともに心に残ります。

隣国の城主北畠具教にはいつも存在感たっぷりの國村隼、伊賀の上忍百地三太夫にTVドラマ「下町ロケット」でその演技を絶賛された立川談春師匠、曲がった事が大嫌いな最強の武将日置大膳に伊勢谷友介、無門のライバルの下忍でこの物語の鍵を握るのは 来年のNHK大河ドラマ「西郷どん」で主役を務める鈴木亮平、そして無門が唯一心を開く最愛の妻に石原さとみ。お時間がある方、絶対観に行きましょうね!

 

最近、HuluとかNetflixとかAmazonプライムビデオとか、定額で映画を見放題のサービスが巷に溢れています。

私もユーザーで重宝しているのですが、実は映画の未来には繋がっていないと感じる時がたまにあります。

公開時にお金を払って大勢の観客が足を運ぶから、そのおかげ(お金)でまた新しい素晴らしい映画が作られます。

良い映画をこれからも観客として楽しみ続けるためには、制作に携わっている人達の労に報いてあげないといけませんよね。

「良い映画をありがとっ!」っていつも思いながら映画館に入場料を払うのは映画ファンとしてのたしなみだと思うし、とても健全だし、素敵なことだと思います。

えっ?観た映画がつまらなかったらどうするの?

そんな時は「選んだ自分が悪かった〜(T_T)」。

作品も造り手も含めて映画をもっと愛してあげましょう!

さあ、「忍びの国」、もう1回観に行くぞー。